発表時間 |
5/2(金)21:30(日本時間) |
事前予想 |
21.5万人 |
4月4日に発表された3月の雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が前月から+19.2万人となり、市場予想の+20万人を下回る結果となった。一方、失業率は横ばいの6.7%となり、市場予想の6.6%には改善しなかった。マーケットでは、大雪や寒波などの悪天候の影響が薄れたことから、雇用回復が統計で示されるとの期待感が高まっており、発表直前には米ドルが主要通貨に対して上昇する動きも見られた。しかし・・・
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(5/2(金)21:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
前回指標発表時(4/4)の振り返り 米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
他の通貨も動きがありました。
前回指標発表時(4/4)の振返り ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
前回指標発表時(4/4)の振返り 豪ドル/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
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発表スケジュールをチェック!
4月ADP雇用統計 前月比 (ADP発表)
前回予想 |
19.5万人 |
|
前回発表 |
19.1万人 |
---|
発表時間 |
4/30(水)21:15(日本時間) |
事前予想 |
21.0万人 |
米4月雇用統計 非農業部門雇用者数変化 前月比 (米労働省発表)
前回予想 |
20.0万人 |
|
前回発表 |
19.2万人 |
---|
発表時間 |
5/2(金)21:30(日本時間) |
事前予想 |
21.5万人 |
過去データをチャートで確認!
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※乖離=実績値-予想値
- ※左軸:実績値、予想値 右軸:乖離
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成
雇用統計直前レポート
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(5/2(金)21:15〜放送開始予定 ※USTREAM(外部サイト)へ遷移します。)
4月4日に発表された3月の雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数が前月から+19.2万人となり、市場予想の+20万人を下回る結果となった。一方、失業率は横ばいの6.7%となり、市場予想の6.6%には改善しなかった。マーケットでは、大雪や寒波などの悪天候の影響が薄れたことから、雇用回復が統計で示されるとの期待感が高まっており、発表直前には米ドルが主要通貨に対して上昇する動きも見られた。しかし、注目された非農業部門雇用者数の伸びが市場予想に届かなかったことから、米ドル/円は発表直後に下落する動きとなった【図1参照】。
ただ、1月、2月分がともに上方修正され、雇用改善の継続が示されたことや、市場予想を下回ったものの、前月比で+19万人台と比較的堅調な結果となり、ネガティブな結果ではないとの見方から、一時値を戻す動きとなった。しかし、失業率が改善しなかったことや、製造業部門の雇用者数の伸びが2013年7月以来のマイナスとなったことから、上値の重い動きとなった【図1参照】。
【図1】米ドル/円 10分足
- 【図1】出所:総合分析チャート
民間部門雇用者数は+19.2万人、サービス部門で+16.7万人。業種別では、一時雇用を含む企業向け専門職の伸びが目立ち、教育・健康や観光・娯楽も好調だった。また、悪天候で低迷していた小売りも大きく改善した。半面、製造業は-0.1万人、政府雇用は横ばいだった。また、1月の雇用者数の伸びは+12.9万人から+14.4万人、2月は+17.5万人から+19.7万人にいずれも上方修正された。
そして、職に就けない期間が半年以上に及ぶ長期失業者は373.9万人と-11.0万人となり、失業者全体の35.8%(前月37.0%)を占めた。また、失業期間が5週未満、5週〜14週、15週〜26週のいずれの区分で増加となった。
【表2】統計結果と今回の市場予想
|
4月市場予想 |
3月 |
2月 |
1月 |
12月 |
11月 |
10月 |
9月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
6.6 |
6.7 |
6.7 |
6.6 |
6.7 |
7.0 |
7.2 |
7.2 |
非農業部門雇用者数(万人) |
21.5 |
19.2 |
19.7 |
14.4 |
8.4 |
27.4 |
23.7 |
16.4 |
民間部門雇用者数(万人) |
21.5 |
19.2 |
18.8 |
16.6 |
8.6 |
27.2 |
24.7 |
15.3 |
製造業部門雇用者数(万人) |
0.7 |
-0.1 |
1.9 |
0.8 |
0.7 |
3.5 |
1.8 |
0.3 |
- 【表2】出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
- ※市場予想は4月29日現在の予想平均値
非農業部門雇用者数の伸びが2ヵ月連続で+20万人近い伸びを示したことで、昨年12月以降、悪天候の影響で伸び悩んでいた状態から抜け出したといえる。歳出を急激に引き締めた財政が景気を下押しする要因も解消され、米経済は本来の成長力を取り戻したように見える。このことから、4月の雇用者数の伸びは引き続き、堅調な予想となっている。【表2参照】
結果が市場予想を上回るかどうかで発表直後の動きが左右されるが、2月、3月程度の結果となるなら、マーケット全体では、雇用回復は堅調との判断を下す可能性があるだろう。そのため、市場予想を下回る結果となり米ドルが主要通貨に対して下げる場面があったとしても、底固い動きとなり、その後の反転する可能性も考えられる。しかし、それを下回る結果となる場合には、米景気回復の鈍化には、やはり天候以外の影響があるとの議論が出ることもあるだろう。そのため、今回の結果が、今後の米ドル相場の方向性を左右する可能性も考えられる。