米8月雇用統計 (非農業部門雇用者数前月比/失業率 等) |
発表時間 |
9/5(金)21:30(日本時間) |
前回値 |
+20.9万人 / 6.2% |
事前予想 |
+22.5万人 / 6.1% |
8月1日に発表された7月の米雇用統計では、景気を反映する非農業部門雇用者数が、前月比+20.9万人となり、市場予想の+23.0万人を下回る結果となった。ただ、+20万人の大台を6ヵ月連続で上回る結果となり、6ヵ月以上+20万人の大台を上回ったのは、1997年1月〜7月間以来17年ぶりとなった。また、失業率は6.2%と・・・
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前回発表時(8/1)の主要通貨の動きをチャートで振り返る
米ドル/円
- ※出所:FX総合分析チャート 15分足
ユーロ/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
豪ドル/円
※出所:FX総合分析チャート 15分足
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雇用統計直前予想レポート
8月1日に発表された7月の米雇用統計では、景気を反映する非農業部門雇用者数が、前月比+20.9万人となり、市場予想の+23万人を下回る結果となった。ただ、+20万人の大台を6ヵ月連続で上回る結果となり、6ヵ月以上+20万人の大台を上回ったのは、1997年1〜7月間以来17年ぶりとなった。また、失業率は6.2%と、市場予想の6.0%を上回り、尚且つ前月から0.1ポイント悪化する結果となった。ドル/円は、雇用増加の期待感を背景に、発表前からやや堅調な動きが見られたものの、注目された非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったことや、失業率が悪化したことを受けて、発表直後から軟調な動きとなった。
図:米ドル/円 5分足
※出所:総合分析チャート
民間部門の雇用者数は+19.8万人、製造業は+2.8万人、建設は+2.2万人、サービス部門は+14.0万人と、まずまずの伸びとなった。業種別では、一時雇用を含む企業向け専門職が引き続き好調で、小売りや観光・娯楽などが大きく雇用を伸ばした。また、政府雇用も+1.1万人となるなど、全体的にバランスよく雇用者数が増加する結果となった。 そして、5月の非農業部門雇用者数は、これまでの+22.4万人から+22.9万人に、6月は+28.8万人から+29.8万人にいずれも上方修正された。
職に就けない期間が半年以上に及ぶ長期失業者は、+7.4万人の315.5万人となり、依然として失業者全体の3割強を占めている。失業期間別では、-6.0万人となった15-26週以外は全ての区分で増加となった。また、週の労働時間は、前月比横ばいの34.5時間、時間当たりの賃金もほぼ横ばいとなった。
表:統計結果と今回の市場予想
|
8月市場予想 |
7月 |
6月 |
5月 |
4月 |
3月 |
2月 |
1月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
失業率(%) |
6.1 |
6.2 |
6.1 |
6.3 |
6.3 |
6.7 |
6.7 |
6.6 |
非農業部門雇用者数(万人) |
22.5 |
20.9 |
29.8 |
22.9 |
30.4 |
20.3 |
22.2 |
14.4 |
民間部門雇用者数(万人) |
20.9 |
19.8 |
27.0 |
22.8 |
27.8 |
20.0 |
20.1 |
16.6 |
製造業部門雇用者数(万人) |
1.5 |
2.8 |
2.3 |
1.5 |
0.9 |
0.4 |
2.0 |
0.8 |
※出所:SBIリクイディティ・マーケット作成
※市場予想は9月2日現在の予想平均値
注目される非農業部門雇用者数は、7ヵ月連続で+20万人の大台を超えるとの予想が出ており、予想通り着実な回復が続いていることが示されれば、引き続き堅調な雇用情勢が確認できる。しかし、マーケットではすでに+20万人程度の結果では反応に乏しく、+20万人台後半の結果を期待する向きもある。また、FRB議長の発言などから、雇用改善の“質”に注目が集まっており、賃金や労働時間など広範な労働市場の指標が注目されている。
失業率は今回改善が予想されているが、堅調な雇用者数の伸びを背景に、職探しをあきらめていた人たちが労働市場に戻る傾向があることから、前回同様に市場予想を上回る可能性も想定しておきたい。ただ、失業率との関連性も指摘されるGDPにおいては、4-6月期の改定値が速報値から上方修正されており、失業率改善の期待感もある。
そして、雇用統計の結果を踏まえて、FRBの利上げ時期をめぐる思惑も交錯することから、雇用統計後の動きにも注意したい。
米雇用統計 非農業部門雇用者数月次推移(米労働省発表)
- ※乖離=実績値-予想値
- ※左軸:実績値、予想値 右軸:乖離
- ※Market Win24のデータを元にSBI証券が作成