6月米雇用統計
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | |
非農業部門 雇用者数(万人) | 23.3 | 53.6 | 78.5 | 26.9 | 58.3 | 85.0 |
失業率(%) | 6.3 | 6.2 | 6.0 | 6.1 | 5.8 | 5.9 |
時間給賃金 前月比(%) | 0.1 | 0.3 | -0.1 | 0.7 | 0.5 | 0.3 |
時間給賃金 前年比(%) | 5.3 | 5.2 | 4.2 | 0.4 | 2.0 | 3.6 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | |
製造業 | 0.7万人減 | 2.0万人減 | 15.9万人増 | 4.1万人減 | 1.9万人増 | 2.0万人増 |
サービス業 | 12.9万人増 | 64.2万人増 | 56.5万人増 | 26.7万人増 | 49.7万人増 | 64.2万人増 |
政府系 | 11.1万人増 | 8.6万人減 | 6.1万人増 | 4.3万人増 | 6.7万人増 | 18.8万人増 |
- ※出所:SBIリクイディティ・マーケット
6月米雇用統計のポイント
先週末発表の米6月雇用統計、就業者数が予想(72.0万人増)を上回り5月(58.3万人増)や4月(26.9万人増)から大きく増加。中でもワクチン接種の効果によるレストランの再開などサービス業を中心に人材確保の動きが広がり小売関連で67.1万人増と5月(26.7万人増)から大きく増加。一方、サービス業の中でもヘルスケア(5月:20.2万人増⇒6月:20.2万人増)、レジャー関連(5月:30.6万人増⇒6月:34.3万人増)、教育関連(5月:5.9万人増⇒6月:5.9万人増)と小売、レストラン関係の伸びが雇用増を牽引した一因となりました。
季節調整が雇用統計に及ぼす影響とは?
学校が夏季休暇入りとなる6月の教育関連の雇用は大きく減少し、9月に学校が再開することで雇用が回復。米労働省はこうした傾向を考慮するとともに、労働市場の傾向を正確に反映させるために例年は6月の数値を引き上げ、9月の数値を引き下げる季節調整を行います。
しかし、感染の影響で対面授業がオンラインに切り替えられた影響から今年は夏季補修授業を行う学校も多く、教育関連の雇用を維持したとの見方から、例年通りの季節調整に変化があったとされ、民間および地方自治体、州などの教育関連全体の就業者数は季節調整前で60.7万人減と例年6月の87.6万人減から減少幅が縮小。こうした数値に季節調整を加味して26.8万人増となりました。実際、政府関連の雇用増(5月:6.7万人増⇒6月:18.8万人増)となった一因に州や地方自治体など公立学校の補修授業の影響が反映された可能性もありそうです。そのほか、労働市場全体で見ても6月は雇用増が4月、5月以上に雇用増となる傾向があり、6月の季節調整前の就業者数115.0万人増から引下げの調整が行われています。しかし、来月発表される7月の雇用統計では労働市場全体で雇用創出が減少傾向にあるため引上げの季節調整が行われると見られます。
ドル円は強いトレンド入りとはならず
6月FOMCでテーパリング議論についての検討が行われたこともあり、今回の雇用統計の結果次第では、FRBの金融政策正常化に向けた道筋が鮮明になるとの期待が高まる中、ADP雇用統計が予想を上回ったことで対主要通貨に対するドル買いが強まり、ドル円は6月29日の110円44銭から7月2日には111円66銭まで上昇。一方、ユーロは6月25日の1.1975ドルから7月2日には1.1807ドルまで下落。しかし、米6月雇用統計の発表を終えたこと、単月の雇用統計を重視し過ぎないことが重要で、今回の結果を受けて少なくともFRBの早期金融政策正常化を急ぐほどではないとの見方、あるいは強いトレンドの始まりと見ることには慎重な見方があること、雇用統計に向けたドル買いポジションの巻き戻しも観測されドル円は111円66銭から110円96銭へ反落し111円01銭で先週末の取引を終了。ユーロも1.1807ドルから1.1874ドルへ反発し1.1864ドルで取引を終えるなど調整が進みました。
FRB要人の発言に注目集まる
市場では9月に失業給付の特別加算が終わり、学校の再開など労働市場の季節調整の影響が一段落する9月の雇用統計がFRBの政策変更に向けた重要度が高まると見られ、9月のFOMCでテーパリングの開始時期や規模など詳細を示し11月以降の開始に動くとの観測も聞かれています。
感染の影響による労働市場への影響からFRBが重視する労働市場の改善を正確に把握するには例年以上に時間を要するのかもしれないと考えれば、単月のデータに一喜一憂することなく3ヵ月平均など傾向をより慎重にみる必要がありそうです。一方、バイデン大統領からも今回の雇用統計について「雇用統計は歴史的な前進を示しており、ワクチンの普及が労働市場の促進につながり1月以降300万人の雇用を創出した」と発言。さらに転職のために離職した人の数が6月に16.4万人増の94.2万人となるなど確実に労働市場の回復が続いていることから、今後のFRB要人らの発言がドルの対主要通貨での方向性を占う上でこれまで以上の注目度が高まることが予想されます。また、今週8日の午前3時に公表される6月FOMC議事要旨を受けてドルの対主要通貨での上昇が再燃し、ドル円は日足・転換線(111円04銭)を下値支持線として先週末の高値(111円66銭)を更新するか注目されます。一方、ユーロは日足・転換線(1.1890ドル)が上値抵抗線として伸び悩み、先週末の安値(1.1807ドル)に向けて軟調な値動きとなるか注意が必要です。
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