来週の株式見通し(8/5〜8/9)
来週の東京株式市場は買い一巡後はもみ合いが予想される。日経平均のダメ押し的な下げは予想されるものの、2013年6月に下値固めをした水準の上限付近から反発に転じた。売買代金の増加は見込みづらいが、好業績銘柄への選別物色が予想される。米雇用統計の発表が通過することで、高値圏でこう着相場が続いているダウ平均に方向感が出てくる可能性がある。米雇用統計が波乱なく通過できれば、日本株全体の上昇や好決算銘柄への物色にも広がりが出てくる公算が大きい。国内の経済指標では、6月景気動向指数(2013/8/6)や7月景気ウォッチャー調査(2013/8/8)、イベントでは日銀金融政策決定会合(2013/8/7〜8/8)がある。
来週(2013/8/5〜8/9)の日経平均株価の予想レンジは14,180円−14,740円。図表1は、日経平均株価の週足である。一目均衡表では転換線(13,684円)付近がサポート水準として意識されている。基準線(13,494円)〜13,000円までの下値を想定しながらも、その翌週(2013/8/12〜8/16)の転換線の上昇で株価の反発基調が強まるかが短期的な焦点となる。
図表1:日経平均株価の週足
- 出所:BloombergよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
国内企業の決算発表後の株価は、内容の良し悪しにかかわらず売られる傾向にあり、決算の中身よりも決算発表というイベントを利用した投機色が強い。一方、決算に対する反応の変化を見極める局面でもある。決算期間の序盤と終盤とでは決算に対する株価の反応に変化が起きるはずであり、今のうちに好決算銘柄はチェックしておきたい。
図表2は、中国製造業PMI(購買担当者景気指数)の推移である。8/1に発表された2013年7月の製造業PMIは50.1と市場予想(49.8)を上回った。景気判断の分れ目となる50を上回ったことを好感して、上海総合指数は2,000P台を再び回復。日経平均株価は14,000円台を回復するきっかけとなった。来週(2013/8/5〜8/9)は8/8に中国7月貿易収支、8/9には中国7月消費者物価、鉱工業生産、小売売上高、都市部固定資産投資などが発表される。国内企業の業績に中国景気の減速の影響が出てきた状況だけに、中国景気の底堅さを示す指標結果に対しては日本株のポジティブなシナリオも想定しておきたい。米国主要指数の高値更新時期と重なるタイミングであれはなおさらだ。
需給面では、2013/8/9は8月限オプションSQ(特別清算指数)算出日である。SQ前後は基調に変化が生じやすい。週前半で戻りを試したあと、SQ通過後は翌週の展開に向けて大きなヤマ場になるだろう。
図表2:中国製造業PMI
- 出所:BloombergよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
来週の注目銘柄!(8/5〜8/9)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット株価(円) |
注目ポイント |
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1873 |
850 |
510 |
岩手地盤に全国展開の在来型注文住宅大手。太陽光発電システムを標準搭載。観光やマンションなども手掛けている。来年に向けて材料費上昇などの懸念はあるも、東日本大震災の被災地の住宅購入者向け給付制度などの政策は追い風。株価は税制や金利動向に敏感。一目均衡表の雲に上値を抑えられる一方、週明けの基準線上昇で反発に転じられるかが目先の焦点。ターゲット850円、ロスカット510円。 |
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3407 |
905 |
580 |
化成品のほか住宅、繊維、医療など事業は広範囲。足元はプラスチック原料などケミカル部門の業績が回復したほか、スマホ向け電子コンパスやリチウムイオン電池用絶縁材が堅調のもよう。株価はリーマン・ショック後の戻り高値(598円)をクリアしたあとの揺り戻し。月足転換線の上昇を背景に上値余地大。足元は25日線を下回るも、直近安値(612円)を意識して反発。7/10高値685円を上回れば目先の需給は好転へ。PER12倍程度で割安感あり。ターゲットは905円、ロスカット580円。 |
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4902 |
990 |
737 |
主力の事務機が欧州などで好調。円安効果と生産効率も業績押し上げ。ノートPCの市況悪化で液晶偏光板用フィルムなどの販売は低調だが、カメラ事業からの撤退でデジタルカメラの世界的な市場縮小を回避。パナソニック傘下から超音波診断機器関連事業を買収し、ヘルスケア部門は強化・拡大へ。株価は2013年5月高値843円が目前。2011年以降で二番底を形成しており、出遅れ電機セクターのなかでは有望。2013/7/26現在の信用買い残が売り残に対して極端に大きくない点にも注目。中期上値メドは1200円処。短期のターゲットは990円、ロスカット737円。 |
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4661 |
19,550 |
15,070 |
東京ディズニーランド30周年記念イベント効果で入園者数が好調に推移。首都圏のリピーターを中心にアジアからの来園客が増えたことや、最近の良好な消費動向も追い風。会社計画は保守的。夏休み期間の2Q(7−9月期)はさらに業績が伸びる公算大。東京でオリンピックが決まれば好材料。株価は高値圏のもみ合いを上放れ上場来高値更新。東京市場全体では数少ない好需給銘柄の1つ。ターゲット19,550円、ロスカット15,070円。 |
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7012 |
519 |
282 |
総合重機大手。航空宇宙や中型ガスタービンに強い。円安を追い風に造船事業の環境が改善。米ボーイング向け部品のほか、米国やアジアで販売好調の二輪車も円安が収益を押し上げた。足元の油圧機器の受注高も想定以上。決算発表後のアナリスト評価も高い。株価はバブル時高値を起点とした長期上値抵抗線を意識する展開となっている。短期の目線では、一目均衡表の抵抗帯を一気に上にブレーク。2013年5月高値401円クリアなら再動意の公算も。ターゲット519円、ロスカット282円。 |
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8282 |
4,000 |
3,030 |
北関東地盤の家電量販店。M&Aで全国展開を意識。個人消費の改善でエアコンや冷蔵庫の売上は強含み。消費税率引き上げの影響は不透明ながらも、家電市場の安定化の兆し。ドミナント強化しながらの効率的な大型店出店でシェア上昇へ。株価は長期下値切り上げパターン。直近高値からの押しの浅さは先高を暗示か。一目均衡表では雲ネジレのタイミングに注視へ。高値警戒感もあるが、信用の取組良好で需給面に不安乏しい。ターゲット4,000円、ロスカット3,030円。 |
- 出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・時価総額200億円以上、今期増収増益予想、連結PBR5倍以下。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。