来週の株式見通し(2021/12/13〜12/17)
来週(2021/12/13〜12/17)の日経平均株価の予想レンジは28,500円‐29,200円。東京株式市場はFOMC(連邦公開市場委員会)を控え方向感が見いだせない展開か。29,000円処を超える水準では戻り待ちの売りが強くなる一方、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」への警戒感が後退する中、下げる場面では押し目買いが意識されそうだ。米国株や米金利動向、原油相場などの安定推移が保たれるかがベースとなる。
ウクライナ情勢や台湾情勢を巡る地政学リスクへの警戒感や、中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)問題以外にも中国全体の金融・不動産市場の混乱に対する懸念は拭えない。マーケット全体の影響を受けるシステマティックリスクを回避する投資行動が予想され、業績期待や割安感のある内需株への選別物色ほか、個別企業の決算への反応が強くなりそうだ。
ちなみに昨年12月のメジャーSQ明けの相場は底堅く推移した。週初の日銀短観の改善が好感されたほか、高値更新基調が続く米国株に後押しされる格好で、日経平均は前週後半に下げた分を取り戻した。FOMCで金融緩和継続スタンスを確認できたことも安心材料となった。新規公開ラッシュとなり、IPO市場にはホットな資金が向かった。円高進行や、国内のコロナ感染者数拡大など警戒材料もあったが、TOPIXの年初来高値更新やソニーの1万円台乗せなど明るいニュースが比較的多かった。
日経平均株価(図表1)は直近安値から反発基調を強め、200日移動平均線(28,894円 12/9)付近まで戻る展開となった。今年のもみ合い相場の中心が28,800円(2月高値と8月安値の中値)処であることからも、ここから200日移動平均線を超えて上値を伸ばせるかが相場安定のカギとなる。
RSIは40.2%→49.5%(12/9)に上昇。目先的には上昇する可能性が高く、強弱の分れ目となる50%水準を超え、強気局面に回復できるかが焦点となる。
目先の上値メドは、11/11安値29,040円〜25日移動平均線(29,037円 同)、9/14高値を起点に11/16高値を通る右肩下がりの上値抵抗線など。下値メドは28,300円付近や12/3安値27,588円などが考えられる。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/1/4-12/9)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表は、12月日銀短観、10月機械受注(12/13)、日銀金融政策決定会合(〜12/17)、11月貿易収支、11月首都圏マンション販売(12/16)、黒田日銀総裁会見(12/17)がある。
企業決算では、エイチ・アイ・エス、セルソース、正栄食、JMHD、サーキュ、稲葉製作、萩原工業、ファースト住、ネオジャパン、アイ・ケイ・ケイ、Hamee、学情、トーエル、日ハウスHD、ツクルバ、フロンティアI、シャノン、フィット、SKIYAKI(12/13)、神戸物産、クミアイ化、Pアンチエイジ、ヤーマン、MSOL、エニグモ、MacbeeP、J.S.B.、巴工業、3Dマトリックス、銚子丸、Link−U、アールプランナ、バルニバーヒ、デリバリコン、アシロ、バリュゴルフ、LeTech、ジェイック(12/14)、パーク24、スマレジ、サンバイオ、GA TECH、オハラ、ギフト、フジコーポ、coly、アルデプロ、ダブルエー、プロレド、ナトコ、Mマート、ジェネパ(12/15)、アスクル(12/16)がある。
海外の経済指標の発表は、FOMC(〜12/15)、米11月生産者物価指数(12/14)、中国11月鉱工業生産、中国11月小売売上高、パウエルFRB議長会見、米12月ニューヨーク連銀景気指数、米11月小売売上高(12/15)、英国金融政策発表、ECB定例理事会(ラガルド総裁記者会見)、米11月住宅着工件数、米12月フィラデルフィア連銀景気指数、米11月鉱工業生産(12/16)、独12月Ifo景況感指数(12/17)がある。
米企業決算では、レナー(12/15)、アドビ、フェデックス、アクセンチュア(12/16)が発表を予定している。
来週の注目銘柄!(12/13〜12/17)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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4626 | 4,200 | 3,080 | プリント配線板で使用するソルダーレジストに強みを持つ。11/5の上期決算発表時に通期の見通しを上方修正した。半導体パッケージ基板用部材において、パソコンやサーバー用の半導体メモリー向け製品および、モバイル端末用のアプリケーションプロセッサー向け製品などの需要が想定を上回った。直近の騰勢では3,450円まで上昇し、1月につけた年初来高値3,345円を更新。スピード調整後も再動意となっており、一段高への期待が高まっている。ターゲットは4,200円、ロスカットは3,080円 | |
6095 | 4,700 | 3,650 | 国内最大級の医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営するほか、医師求人情報ポータルサイトやオンライン医療相談サービスなどを展開する。2020年にコロナ感染被害が拡大する中で人気化したが、今年はその反動で下落基調が続いている。しかし、足元で変異株「オミクロン」の出現もあり、調整が十分進んだ同社には見直し買いが意識されている。2021年9月期の連結営業利益は前期比61.5%増の17.8億円と大きく拡大した。主力のドクタープラットフォーム事業が大きく伸びているようだ。株価は11月安値(3,005円)を起点とした上昇で一目均衡表の抵抗帯を上回ってきており、「三役好転」の強気局面入り。9月につけた戻り高値4,550円を上回ることができれば中期的には5,000円台まで上値余地は拡大する。ターゲットは4,700円、ロスカットは3,650円 | |
6728 | 7,400 | 6,340 | 真空関連の技術に強みを持つ。1Q決算は連結営業利益が前年同期比3.6倍の35.7億円と大幅増益。半導体や電子部品装置が好調で、主力の真空機器事業セグメントにおいて、売上、利益および受注高が大きく伸びた。株価は発表直後にこそ売り反応となったが、75日移動平均線近辺をサポートに底堅い展開が続いている。11月後半につけた年初来高値となる7,000円は射程圏に入っており、高値更新後は上値余地が拡大する。2017年に8,930円まで上昇した経緯があり、当面の上値メドと判断してもよい。ターゲットは7,400円、ロスカットは6,340円 | |
7701 | 5,500 | 4,690 | 上期の連結営業利益は前年同期比46.8%増の288億円。1Qの124億円から利益を大きく積み増し、通期見通しに関しても530億円→590億円(前期比18.6%増)に上方修正している。計測機器が国内外で好調で、上期の売上、利益は過去最高を更新した。株価は9月中旬から10月前半にかけて大幅な調整が入ったが、以降は戻り基調が続いている。上期決算を受けた11/8の株価は、下ヒゲはつけたものの下落と微妙な反応。ただ、25日移動平均線を割り込んだところでしっかり買いが入っており、10月安値も下回らなかった点に注目した。週足では26週移動平均線が強いサポートになっており、9月高値の5,550円に向けて水準を切り上げる展開が予想される。ターゲットは5,500円、ロスカットは4,690円 | |
8015 | 5,400 | 4,650 | トヨタ系の総合商社。上期の純利益は前年同期比3.1倍の1,276億円と大幅増益で着地した。自動車生産関連および自動車販売ビジネスの業績が好調に推移。通期の見通しに関しても、1,500億円から1,900億円(前期比41%増)に引き上げた。配当見通しも引き上げている。株価は11/24高値5,660円を起点にスピード調整を強いられているが、短期ストキャスティクスは底値圏で買いサインが点灯した。週足・日足ともに一目均衡表の抵抗帯がサポートになる可能性が高く、リバウンド妙味が強い。ターゲットは5,400円、ロスカットは4,650円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・12/8現在、東証1部上場銘柄で時価総額が500億円以上、PERが50.0倍以下、PBRが1.0倍以上、信用倍率が8.0倍以下(12/3現在)、株価が10日・75日移動平均線を上回っている、今期増収・営業増益予想(日経予想)の中から、成長性や話題性を含め総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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