来週の株式見通し(2022/6/6〜6/10)
来週(2022/6/6〜6/10)の日経平均株価の予想レンジは27,400円〜27,900円。週末のメジャーSQを控え、方向感に乏しい展開か。再び米長期金利が上昇し始めていることから、翌週のFOMC(6/14-15)に対しても警戒感が強まりやすい。一方、NY株式や円安基調が続けば、東京株式市場の地合いに大きな変化はなさそう。手掛かりは証券会社による投資判断や、企業決算の発表が増加することで個別物色の材料は増える。
昨年の同じ6月SQ週は一進一退となった。国内は売り買いの手掛かりに乏しく、週後半に控えた米5月CPIやECB理事会を前に、様子見姿勢の強い地合いが続いた。個別やセクターでは濃淡ありながらも、日経平均株価はほぼ横ばいで推移。結局、米5月CPIを確認した後も動意が限られた。
日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率は、2021年の年初にピークアウトしてから低下を続け、TOPIX優位のトレンドが続いている。一方、2016年以降を振り返ると、同じ方向のトレンドが1年前後続くと、短期的に小休止、あるいは当面のトレンドが変わった経緯がある。その経験則を踏まえると、直近13.9倍台の安値をつけた3月は高値から概ね1年が経過したタイミングであり、短期的には日経平均株価優位の拡大局面に変わる可能性が高い。米国市場にようやく落ち着きがみえてきた。反発基調の継続がハイテク株主体のナスダック主導で起きることがあれば、連動性が強い日経平均株価には追い風となる。
テクニカル面からみた日経平均株価(図表1)は、5/12安値(25,688円)からの反発基調が続いている。25日移動平均線(26,712円 6/2)が再び上向きに転じるポジティブな側面があるが、昨年9/14高値(30,795円)を起点に11/16高値(29,960円)を通る右肩下がりの上値抵抗線が上値で意識されているようだ。
上述した上値抵抗線や4/21高値(27,580円)を上抜けると、短期的に200日移動平均線(27,940円 同)に突っかける動きにつながる公算が大きい。ちなみにTOPIXはすでに4/21高値を上抜けている。
下値メドは、10日移動平均線(27,007円 同)や25日移動平均線(26,712円 同)、5/19安値(26,150円)、5/12安値(25,688円)などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/7/1-2022/6/2)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表では、4月家計調査、4月毎月勤労統計調査、4月景気動向指数(6/7)、1-3月期GDP確報値、5月景気ウォッチャー調査(6/8)、メジャーSQ、5月企業物価指数(6/10)がある。
国内企業の決算発表では、くら寿司、丹青社、アイモバイル(6/8)、積水ハウス、ステムリム、ロックフィール、楽天地、スバル興、アクシージア、鎌倉新書、ベステラ、カラダノート(6/9)、三井ハイテ、クミアイ化、ラクスル、シーアールイー、シーイーシー、ポールHD、丸善CHI、テンポスHD、ラクーンHD、オハラ、ソフトウェアサー、巴工業、稲葉製作、鳥貴族HD、フリービット、サムコ、ネオジャパン、アスカネット、gumi、エイチーム、ダイオーズ、HEROZ、神島化、トーホー、ケア21、エッジテクノ(6/10)などが予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、アップルが開発者会議(WWDC)開催(オンライン、〜6/10)(6/6)、米4月貿易収支、米4月消費者信用残高(6/7)、米10年国債入札(6/8)、中国5月貿易収支、ECB定例理事会(ラガルド総裁記者会見)、米30年国債入札(6/9)、中国5月生産者物価指数、中国5月消費者物価指数、5月消費者物価指数(6/10)などがある。
来週の注目銘柄!(6/6〜6/10)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
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2931 | 1,200 | 790 | 微細藻のミドリムシを使った食品などで有名。健康食品のイメージが強いが、次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」が商船三井系のトラック運行やJR東海の試験走行車、フジドリームエアラインズのチャーター運航用燃料に使用されるなど、その用途を陸海空に広げている。政府は持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた協議会を立ち上げるなど新燃料への注目度が高まっており、同社が拡販を進めている「サステオ」への注目度も増すと予想する。株価は1/19安値639円を起点に下値を切り上げる展開。昨年11月につけた戻り高値795円を前にいったん値幅調整を強いられたが、上向きに転じた75日移動平均線をサポートに出直り機運となっている。株価変動に煮詰まり感が強く、6/1に形成した陽線が上値志向を強めるきっかけになるか注目される。ターゲットは1,200円、ロスカットは790円 | |
3186 | 2,500 | 1,920 | 中古車販売大手。中古車需要の高まりを受けて、今年の1月までは強い基調が続いた。しかし、本決算を確認して跳ねたことで短期的な過熱感が出てきたことに加え、2月にファイナンスを実施したことで需給化が懸念されて値を崩し、1月中旬以降は逆回転の売りに押されている。ただ、4/27の1,875円で下げ一服感が出てきており、そこから約1カ月の間、底固めが進んでいる。月足では24カ月移動平均線が1,800円近辺に控えており、下値サポートとして期待できる。足元では5日移動平均線が25日移動平均線を上回り、ゴールデンクロスを形成。値幅・日柄ともに調整は十分で、下げ止まりから戻りを試しに行く展開を予想する。ターゲットは2,500円、ロスカットは1,920円 | |
3349 | 15,000 | 11,500 | 九州地盤のドラッグストアで、関東圏への出店も増やしている。昨今ではあらゆるモノの値上がりなどを受けて販管費率が高まっており、今期は計画未達の公算が大きい。一方で今年に入ってからは既存店売上高が前年同月比プラスを維持してきており、市場の目線も来期の業績改善にシフトしつつあるとみる。株価は直近5/19に10,770円の安値を付けており、昨年9月の高値20,700円から見るとほぼ半値水準で下げ止まった格好。5/26には日足のパラボリックが陽転しており、小売り関連の見直し機運も高まってきていることから買い戻しに転じると予想する。ターゲットは15,000円、ロスカットは11,500円 | |
6095 | 2,900 | 1,850 | 医師向け情報サイト運営、製薬会社の広告料が収益柱である。5/12に発表した、2022年9月期上期(10-3月)の連結営業利益は8.7億円(前年同期は11.1億円)で着地。人材獲得や会員基盤拡大のための投資を積極的に実施したが、通期の会社計画25.0億円に対する進捗は34.6%にとどまった。5/13の株価は上記発表が嫌気され、マドを伴う中陰線を形成。それまでの下落トレンドが加速する格好となり、商い急増のダメ押しを強いられた。だが、翌日の小陽線ではらみ足に準じる底入れサインになった可能性が高い。依然として上方向には派手な動きはないが、直近のもみ合いでも中陰線の中値付近を下回っていない。5/23高値2,287円を超えれば、2,800円〜3,000円トライだろう。ターゲットは2,900円、ロスカットは1,850円 | |
6506 | 5,200 | 4,130 | 前期は営業利益ベースで着地は計画未達も、今期の見通しは大幅増益と強弱入り交じる内容となった。これを受けた株価は大きな反応はなく、その後は年初来安値を更新する場面もあった。一方、5/10に形成した十字足の安値4,050円を起点に25日移動平均線を上回ってきており、緩やかな戻り歩調にある。上方の水準ではまだまだ戻り売りが予想されるが、短期視点のみならず、中期視点でも仕込み場に近いタイミングとみられる。上述した安値は、2019年の高値水準が下値支持帯となった可能性が高いからだ。値固めが一巡したあとは、過去の累積売買代金が膨らむ5,000円〜5,500円の水準に切り上がっていくことが予想される。ターゲットは5,200円、ロスカットは4,130円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・6/1現在、東証プライム銘柄、時価総額が400億円以上、PERが13.0倍以上、PBRが10.0倍以下の中から、テクニカル面や業績面、成長性や話題性を含め、総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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