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2019-10-16 14:00:38

金は中東の地政学的リスクや米中の通商協議の行方を確認

2019/9/17
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米追加利下げ見通しが下支え

9月9日の週のニューヨーク金市場は、ドル高などを受けて調整局面を迎え、期近12月限は8月13日以来の安値1,492.1ドルを付けた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が景気後退は予想していないとの見方を示し、大幅利下げ観測が後退し、ドル高に振れた。その後は欧州中央銀行(ECB)理事会で包括的な刺激策が決定されると、押し目を買われたが、米中の通商協議に対する期待感から上げ一服となった。一方、週明けはサウジアラビアの石油施設が攻撃され、地政学的リスクから原油が急騰したことが支援要因となった。今週は17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが見込まれており、金融政策の見通しも焦点である。

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの石油施設2カ所が14日、無人機(ドローン)による攻撃を受けた。日量約570万バレルの生産が停止し、生産量が半減した。世界の石油供給の5%超に相当する規模だという。石油施設の生産が50%を回復するまで数週間ないし、数カ月かかる見通しとされた。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が犯行声明を出したが、サウジアラビア主導の連合軍は、初期調査でイランの武器が使用されたことを示しているとした。米イラン首脳会談を実現させるため、米国が経済制裁の緩和を検討していると伝えられたが、イラン外務省の報道官は16日、国連総会に合わせてイランのロウハニ大統領とトランプ米大統領が会談することはない、と述べた。北朝鮮やイラン、アフガニスタン、ロシアとの外交政策で強硬姿勢を主張していたボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が解任され、北朝鮮との非核化協議に対する期待感も出ていたが、今回の攻撃で地政学的リスクが意識されると、金の下支え要因になりそうだ。

10月の米中の通商協議を控え、互いに譲歩する動きが見られた。中国財政省は11日、米国からの輸入品に対する追加報復関税について、16品目を免除の対象とすると発表した。トランプ米大統領が10月1日に予定していた2,500億ドルの中国製品に対する関税率引き上げを15日に延期すると発表すると、中国は12日、米国産農産物の購入再開に向けた動きを示した。米大統領は、中国との暫定合意を検討しており、一部関税の発動延期や撤回が決定される可能性が出ている。次官級の通商協議が20日に行われる見通しとなっており、協議が進展すればその約1週間半後に閣僚級の会合が開かれる可能性があるという。中国の経済指標で鈍化が目立ち、内需刺激策が打ち出されている。米国でも製造業の減速が示され、今後、中国製品に対する関税率引き上げや追加関税が発動されると、堅調だった労働市場や個人消費に悪影響が出るとみられており、今回の協議がまとまらなければ景気見通しがさらに悪化する可能性がある。

8月の米消費者物価指数(CPI)や米小売売上高、9月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値が好調な内容となったが、17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが見込まれている。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、景気拡大を維持するため、米FRBが引き続き「適切に」行動するとし、米中の貿易戦争激化に対処するとみられている。CMEのフェドウォッチによると、16日の米短期金利先物市場で9月のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準の確率は1.75〜2.00%が64.6%(前週94.6%)、2.00〜2.25%に据え置きが35.4%(同5.4%)となった。ただ据え置きの確率が上昇しており、今後の金融政策の見通しを確認したい。

9月16日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は6日比15.25トン減の874.51トンとなった。調整局面を迎えるなか、利食い売りが出た。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月10日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは26万9,725枚となり、前週の30万0,547枚から縮小した。今回は手じまい売りが3万1,271枚、買い戻しが449枚入り、3万0,822枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは原油急騰による先行き懸念で調整継続

ニューヨーク・プラチナ期近10月限は、ドル高などを受けて調整局面を迎えたが、米中の通商協議に対する期待感が出ると、押し目を買われた。ただ週明けは原油急騰を受けて景気の先行き懸念が高まったことや株安を受けて戻りを売られ、3日以来の安値928.4ドルを付けた。米中の通商協議に対する期待感を受けてパラジウムが史上最高値を更新し、ロジウムが再び上値を試したが、原油急騰による先行き不透明感の高まりを受けてパラジウム・ロジウムも戻りを売られた。当面は地政学的リスクの行方と原油価格の動向、景気に対する見方を確認したい。また米中の通商協議に進展が見られるかどうかも焦点である。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、11日のロンドンで17.36トン(6日16.67トン)、16日のニューヨークで23.47トン(同23.47トン)、南アで31.05トン(同31.84トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月10日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは3万4,919枚(前週3万3,159枚)に拡大した。新規買い・買い戻しが入った。

ニューヨーク金は調整局面で一時1,500ドル割れ

ニューヨーク金12月限はドル高などを受けて調整局面を迎え、8月13日以来の安値1,492.1ドルを付けた。その後は欧州中央銀行(ECB)の包括的な刺激策を受けて押し目を買われる場面も見られたが、米中の通商協議に対する期待感などに上値を抑えられた。次官級の通商協議は20日に行われる見通しであり、10月の閣僚級の協議に向け、進展が見られるかどうかを確認したい。一方、サウジアラビアの石油施設攻撃を受けて原油が急騰したことや、17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが見込まれていることが下支え要因である。8月13日の安値1,488.9ドルを維持できるかどうかがテクニカル面の焦点である。

9月16日からの週の注目ポイント

16日 敬老の日 ☆☆
17日 独ZEW景況感指数(9月) ☆☆
米鉱工業生産・設備稼働率(8月) ☆☆
対米証券投資(7月) ☆☆
米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目 ☆☆
18日 貿易収支(8月速報) ☆☆
日銀金融政策決定会合1日目 ☆☆
英消費者物価指数(8月) ☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(8月確報) ☆☆☆
米住宅着工・許可件数(8月) ☆☆☆
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表 ☆☆
19日 日銀金融政策決定会合政策金利発表 ☆☆☆
ユーロ圏国際収支(7月)
英小売売上高指数(8月) ☆☆
英中銀政策金利公表 ☆☆☆
米経常収支(4-6月期) ☆☆
米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(9月) ☆☆
米中古住宅販売統計(8月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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