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金は米追加利上げ見通しが圧迫
2023/4/24
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド
金は6月以降の米利上げ停止期待が下支え
4月17日の週のニューヨーク金市場は、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ見通しを受けて売り優勢となった。中心限月となる6月限は3日以来の安値1,980.9ドルを付けた。4月のニューヨーク連銀製造業業況指数は35.4ポイント上昇し、10.8となった。事前予想のマイナス18.0を大きく上回り、昨年7月以来の高水準を記録した。新規受注と出荷が急増した。ただフィラデルフィア地区連銀製造業業況指数はマイナス31.3と前月のマイナス23.2から低下し、約3年ぶりの低水準となった。事前予想はマイナス19.2。価格項目の低下が目立った。一方、4月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.5と昨年5月以来、11カ月ぶりの高水準となった。製造業、サービス業ともに予想以上に上昇した。CMEのフェドウォッチで、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%ポイント利上げの確率は89.1%、6月の利上げ停止の確率は68.6%となっている。今週は第1四半期の米国内総生産(GDP)速報値の発表がある。
3月の英消費者物価指数(CPI)が前年比10.1%上昇と高止まりし、5月11日のイングランド銀行の会合で利上げが実施されるとみられている。またユーロ圏の消費者物価指数(HICP)改定値は同6.9%上昇と前月の8.5%上昇から鈍化した。ただ欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は、エネルギー以外の物価上昇率は高いとし、ユーロ圏の基調的なインフレは「根強い」との見方を示した。4日のECB理事会での利上げが見込まれている。4月の英国の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.9と前月の52.2から上昇し、1年ぶりの高水準となった。ユーロ圏の総合PMI速報値は54.4と前月の53.7から上昇し、11カ月ぶりの高水準となった。英国、ユーロ圏ともにサービス業が上昇したが、製造業は低迷した。
3月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年3.1%上昇と、前月から横ばいとなった。日銀の政策修正の見方が出て円高に振れる場面も見られた。植田新日銀総裁は就任会見でイールドカーブコントロール(YCC)政策とマイナス金利政策について、いずれも継続が適当と金融緩和を維持する方針を示しており、今週の日銀金融政策決定会合でどのような見通しが示されるかを確認したい。
4月21日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比4.04トン減の923.68トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ見通しを受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、4月18日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは18万9,893枚となり、前週の19万2,745枚から縮小した。今回は手じまい売りが104枚、新規売りが2,748枚入り、2,852枚買い越し幅を縮小した。
NYプラチナは米製造業の回復期待で一代高値を更新
ニューヨーク・プラチナ7月限は、米製造業の回復期待やドル安を受けて一段高となり、一代高値1,148.9ドルを付けた。4月のニューヨーク連銀製造業業況指数が予想外に上昇し、米製造業の回復期待が高まった。フィラデルフィア地区連銀製造業業況指数が低下したが、4月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値で製造業が予想外に上昇すると、回復期待から一段高となった。欧州の自動車販売の回復や南アの電力問題も支援要因とみられている。5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが決定される見通しであり、高値での買いが続くかどうかを確認したい。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、20日のロンドンで13.77トン(前週末13.81トン)、21日のニューヨークで30.16トン(同30.44トン)、20日の南アで13.44トン(同12.73トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、4月18日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万4,319枚となり、前週の1万3,333枚から拡大した。新規買い、買い戻しが入った。
ニューヨーク金は調整局面で2,000ドル割れ
ニューヨーク金6月限は、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ見通しを受けて調整局面を迎え、2,000ドルの節目を割り込んだ。ニューヨーク連銀製造業業況指数が予想外に上昇した。ただフィラデルフィア地区連銀製造業業況指数は低下し、6月以降は利上げ停止が見込まれている。テクニカル面では上昇基調を維持しているが、19日安値1,980.9ドルを割り込むと、手じまい売り主導で下落に転じる可能性が出てくる。
4月24日からの週の注目ポイント
24日 | 独ifo景況感指数(4月) | ☆☆ |
25日 | ニュージーランド、オーストラリア休場 | ☆ |
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(2月) | ☆☆ | |
米新築住宅販売(3月) | ☆☆☆ | |
米消費者信頼感指数(4月) | ☆☆ | |
26日 | 米卸売在庫(3月速報値) | ☆☆ |
米耐久財受注(3月速報値) | ☆☆ | |
27日 | 南ア休場 | ☆ |
日銀金融政策決定会合1日目 | ☆☆ | |
米国内総生産(1-3月期速報値) | ☆☆☆ | |
米新規失業保険申請件数 | ☆☆ | |
米中古住宅販売仮契約指数(3月) | ☆☆ | |
28日 | 失業率(3月) | ☆☆ |
鉱工業生産指数(3月速報) | ☆☆ | |
日銀総裁記者会見 | ☆☆☆ | |
ユーロ圏国内総生産(1-3月期速報) | ☆☆☆ | |
独消費者物価指数(4月速報) | ☆☆ | |
米個人所得・支出(3月) | ☆☆☆ | |
米雇用コスト指数(1-3月期) | ☆☆ | |
米シカゴ購買部協会景気指数(4月) | ☆☆ | |
米ミシガン大消費者信頼感指数(4月確報値) | ☆☆ |
※重要度を3段階で表示
金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月
<参照>SBI証券>マーケットデータより
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