11/30 7:00時点
◆29日のNY株式市場
NYダウ188.59j高(+0.42%)の44,910.65j、ナスダックも157.69Pts高(+0.42%)の19,218.17PtsさらにS&Pも33.64j高(+0.56%)の6,032.38jと3指数ともに反発し、NYダウとS&Pは史上最高値を更新して取引を終えました。感謝祭明けの短縮取引となったNY株式市場はブラックフライデーの大幅値引きを受けて消費者のネット購入額が過去最大の108億j(前年比+9.9%)に達したとの予想もあり、小売株が上昇。加えて、半導体大手エヌビディアが+2.15%高、電気自動車大手のテスラも+3.69%高とナスダックの上昇を牽引しました。こうした中、シカゴ日経平均先物(12月限/円建)は円高進行が嫌気され前日比490円高の38,300円と29日の日経平均株価(38,208円03銭)と比べ92円高で取引を終えました。
11/29 17:00時点
◇概況
ドル円は、午前8時半発表の東京都区部11月CPIを受けて12月の日銀追加利上げ観測が高まったとして午前11時前に149円86銭へ反落。ただ、1週間で5円超の急速な円高進行に対するポジション調整の買戻しや短縮取引となったNY株式市場で主要3指数が揃って反発したことも好感され深夜1時半にかけて150円53銭へ反発。一方、植田日銀総裁が一段の円安リスクに言及するとともに政策で対応する必要性に言及したことを受けて午前3時にかけて149円47銭へ下落。その後の反発もNY市場終盤にかけての149円70銭台までに留まる軟調な動きのまま149円70銭で取引を終えました。
一方、ユーロドルは朝方の1.0548jを安値に米長期金利の低下に伴い16時半にかけて1.0597jへ上昇。しかし、1.0600j近辺からの上値の重さが意識され、1.05j台半ばから後半での小幅な動きを続け、植田日銀総裁の発言により12月利上げの可能性が一段と高まったことを受けたユーロ円の下落に伴い午前2時前に1.0542jへ反落。一方、ドル円を軸にしたドル売りにサポートされ、午前5時半過ぎに1.0584jへ反発し1.0577jで取引を終えました。
◇ドル円 (始値:151円55銭 /高値:151円55銭 /安値:149円47銭/終値:149円70銭
朝方の151円55銭を高値に午前8時半発表の東京都区部11月CPIが前年比総合+2.6%、コア+2.2%、コアコア+1.9%と10月から上昇。12月の日銀金融政策決定会合で追加利上げ観測が高まるとともに日経平均株価が午前10時前に362円安まで下げ幅を拡大するなど軟調な動きとなったことから午前11時前にかけて149円86銭へ下落。その後の反発も150円37銭までに留まり16時半にかけて米10年債利回りが4.21%台へ低下したことから149円54銭まで下落。ただ、日足・雲の上限(149円22銭)を下値支持線として下げ止まったほか、11月22日の終値(154円77銭)から1週間で5円超の急速な円高に対するポジション調整の買戻しも観測され19時過ぎにかけて150円37銭へ反発して以降、150円00銭を挟んだ小幅な動きを続け深夜0時前に米10年債利回りが4.19%台へ低下したことから149円87銭へ反落。一方、金利低下を好感しNYダウが取引序盤から上昇し上げ幅を拡大したリスク選好を背景にクロス円の上昇とともに午前1時半にかけて150円53銭へ反発。しかし、日経新聞電子版が植田日銀総裁とのインタビューで「一段の円安はリスクが大きく、政策変更で対応する必要性」に言及したことから午前3時にかけて149円47銭へ下落。また、NYダウはS&Pが史上最高値を更新して取引を終えたほか、ナスダックも反発したリスク選好にもかかわらず、その後の反発もNY市場終盤にかけての149円70銭台までに留まる軟調な値動きのまま149円70銭で取引を終えました。
◇ユーロドル(始値:1.0552 /高値:1.0597 /安値:1.0542 終値:1.0577)
朝方の1.0548jを安値にドル円の軸にしたドル売りを背景に上昇を続け、16時半にかけて米10年債利回りが4.21%台へ低下したことから27日の高値(1.0588j)を上回る1.0597jへ上昇。ただ、1.0600j手前からの戻り売り観測に上値を抑制されユーロ圏11月CPIの発表を前に18時半過ぎに1.0552jへ反落。一方、ユーロ圏11月CPIは予想通り前年比+2.3%となったことへの反応は限られ19時半の1.0573jへの反発を高値に23時前に1.0546jへ反落。ただ、NYダウの上昇を好感し、ユーロ円が午前1時半にかけて158円89銭へ反発したものの、植田日銀総裁の発言を受けた日銀の12月追加利上げの可能性が一段と高まったことを背景にユーロ円の下落に伴い午前2時前に1.0542jへ下落。しかし、ドル円を軸に円高が加速したこと、短縮取引となったNY株式市場でNYダウやS&Pが史上最高値を更新して取引を終えたリスク選好にもサポートされ午前5時半過ぎに1.0584jへ反発し1.0577jで取引を終えました。
◇豪ドル円(始値:98円49銭 /高値:98円54銭 /安値:97円46銭 /終値:97円51銭)
朝方の98円54銭を高値にドル円の149円台後半への下落とともに午前11時前に97円53銭へ下落。ただ、対ドルでの上昇にサポートされ午後12時半にかけて97円97銭へ反発したものの、ドル円の上値の重さや日経平均株価の下落が嫌気され再び97円67銭へ下落して以降、97円台後半での小幅な動きを続け、対ドルでの下落とともに20時に97円46銭へ反落。一方、日足・雲の下限(97円64銭)が下値支持線として意識されたほか、短縮取引となったNY株式市場では金利低下を好感し取引序盤から主要3指数が揃って反発したリスク選好を背景にドル円が150円台半ば、ユーロ円が158円台後半へ反発したことに伴い深夜1時半に98円03銭へ反発。しかし、植田日銀総裁が円安へのリスクを踏まえ、政策で対応する必要性に言及したことが12月の追加利上げの可能性を一段と高めたことを受けた円買いとともに午前6時過ぎにかけて97円台半ばへ下落し雲の下限を下回る97円51銭で取引を終えました。
◇ポンドドル(始値:1.2687 /高値:1.2750 /安値:1.2672 /終値:1.2735)
朝方の1.2682jを安値にドル円を軸にしたドル売りにサポートされ13時過ぎにかけて1.2716jへ上昇。その後の反落も1.2706jまでに留まる底堅い動きを続け、米10年債利回りが4.21%台へ低下したことを受けて16時半前に13日以来の高値となる1.2750jへ上昇。ただ、日足・転換線(1.2767j)を前に伸び悩むとともに対ユーロでのポンド売りに押され23時過ぎに1.2672jへ反落。ただ、週末を控え対ユーロでのポンド売りが一服し反転したことに加え、植田日銀総裁の円安リスクの大きさとともに政策での対応に必要性に言及したことから市場では12月追加利上げの可能性が一段と高まったとして円買い・ドル売りが加速。さらに、NY株式市場でNYダウやS&Pが史上最高値を更新したリスク選好にもサポートされ午前6時にかけて1.2745jへ反発し1.2735jで取引を終えました。
◇本日2日の注目ポイント
ドル円は29日の植田日銀総裁の発言を受けて、12月の追加利上げの可能性が一段と高まったとして150円を下回ったまま29日の取引を終えた流れが続くとの見方があります。そのため、週明け2日の東京市場でも日足・雲の上限(2日時点:149円57銭)を明確に下抜けることも想定され、週足・転換線(149円19銭)、さらに週足・雲の下限(148円69銭)が目先の下値メドとして意識されます。週足が三役逆転となるか、あるいは週足・転換線をを下値支持線として下げ止まり週足・基準線(150円76銭)を回復することができるか、29日の日銀総裁の発言を受けた週明けの本邦長期債利回りの反応が注目されます。さらに、NY市場では公表されるブラックフライデーのネット売上高に加え、米11月ISM製造業景況指数やウォラーFRB理事の発言を受けた米長期金利の動向も合わせてに注目。中でも6日の米雇用統計を控えたISM製造業雇用指数の結果と反応が注目されます。
一方、ユーロドルは1.05j台半ばから1.0600j手前で方向感に乏しい動きを続ける一方、ユーロ円は日足/週足ともに三役逆転となったことから日足/週足雲の下限(2日時点160円61銭/161円46銭)を上値メドして9月16日の安値(155円15銭)を目指して一段安となるか、ユーロドルの方向性を左右するだけに注目されます。
◇29日の日経平均株価
前日比141円03銭安(-0.37%)の38,208円03銭と反落し、週間ベースで75円82銭安、月間ベースでも873円22銭安と下落しました。朝方発表の東京都区部11月の消費者物価指数が総合、コア、コアコアともに前月から上昇したことを受け、12月の日銀金融政策決定会合での利上げが意識され、日米金利差縮小の思惑とともに円高が進行。こうした中、午前10時前に362円09銭安の37,986円97銭まで下落。ただ、38,000円が下値支持水準として強く意識され、38,000円割れからの買いも観測されたこと、さらに3月期決算企業の中間配当金(約7兆円)を再投資に回す動きがみられたほか、米株価指数先物の堅調な推移に支えられ下げ幅を縮小し、11月13日以降13営業日連続で38,000円台を維持して取引を終えました。