2024年11月4日〜2024年11月8日
更新 : 2024/11/1 18:00
(通常毎週金曜日夜更新)
大統領選にFOMC、荒い値動きも
今週の株式見通し
主要指標の推移 | 日経平均株価 | 38053.67 (前週末比 +139.75) | TOPIX | 2644.26(前週末比 +25.94) |
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今週は衆院選の自民党大敗を受けた与野党協力への期待から、日本株相場は前半にかけて上昇した。しかし、日銀の追加利上げが意識された後半は軟化し往って来い。来週には今年最大のイベントの米大統領選と議会選を控え、引き続き荒い値動きに備えておく必要がある。また、FOMC(米連邦公開市場委員会)後の為替の動きにも注意したい。
衆院選は自公で過半数を獲得できず、比較第一党を維持した自民は玉木代表率いる国民民主との連携を模索。同党は「年収の壁」引き上げをはじめ財政拡張的な政策を掲げているため、円安と景気刺激期待から株式市場は好反応を示した。ただ、年収の壁を見直すための基礎控除の大幅な引き上げはハードルが高く、自民・国民民主の協議が順調に進むのかは不透明だ。投資家の「玉木トレード」はいったん収束したとみられ、今後の継続性は政局次第という情勢。一方、10月31日の日銀金融政策決定会合後の会見で、植田総裁は政策金利の引き上げ時期が迫っていることを示唆した。
来週は日本が祝日明けの4営業日で、取引終了時間の30分延長が導入される。現地5日に投票が締め切られる米大統領選と議会選は、6日の日本時間寄り付きごろから早い州で出口調査の結果が伝わり始める。このため日本株トレードはライブ状態となり、情勢によっては相場が大きく荒れる可能性もある。
次の大統領がトランプ前大統領とハリス副大統領のいずれになっても、米経済の堅調さは簡単に揺るがないと思われる。それでも市場はトランプ氏の勝利を織り込みつつあるため、ハリス氏の勢いが強まればいったんリスクオフに傾きそうだ。仮に負ければトランプ氏は結果を受け入れないかもしれず、混乱が拡大する恐れがある。
6〜7日のFOMCは、直前に雇用統計の発表や大統領選といったイベントが相次ぐため、9月に続く利下げが打ち出されるかは流動的と考えられる。ただ、追加利下げが決定され、日銀の年内利上げの観測と併せて円高を促す展開も視野に入れておきたい。来週の日経平均の予想レンジは3万6,500〜3万9,500円とする。
注目材料・為替
FOMCに注目
予想レンジ:1ドル=150円00銭−154円50銭
10月28日−11月1日のドル・円は下落した。28日は、27日に行われた衆議院選挙の結果が政策運営の不透明感を強め、日銀による政策金利の引き上げが先送りされる可能性が想起される中、円が売られドル・円は大きく上昇。その後、29−30日は、ドル・円は強含みでもみ合うが、30−31日の日銀金融政策決定会合で政策金利は据え置かれたものの、植田和男日銀総裁が海外経済の状況や物価情勢の見極めなどについて、今後「時間的な余裕はある」という表現は使わないと説明したことで、次回12月か来年1月の会合における再利上げが意識され、円が急伸。ドル・円は急落した。
米経済指標では、11月1日に10月雇用統計、10月ISM(供給管理協会)製造業景況指数、4日に9月耐久財受注、5日に9月貿易収支、10月ISM非製造業景況指数が発表され、7−8日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。
雇用統計では非農業部門雇用者数の市場予想が9月の実績から大幅に減少する見通しだが、上ブレた場合はドル買いにつながる可能性が高そう。その後、5日に米大統領選挙があり、トランプ前大統領が勝利して上下両院とも共和党が握ることになればドル買い・円売りが進行する可能性がある。また、FOMCも、堅調な経済指標の発表が続く中、0.25ポイントの利下げが基本シナリオになっているようだが、インフレ予想の強まりからFRB(連邦準備制度理事会)が利下げの見送りを検討する可能性もあり、要注意だ。
週間タイムテーブル
国内 | 海外 | |
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11月4日(月) | 振替休日 |
米9月製造業受注=5日0時 米3年国債入札 ◆決算発表=(欧州)エヌエックスピー・セミコンダクターズ、(米国)イルミナ、マリオット・インターナショナル、バーテックス・ファーマシューティカルズ、ゾエティス |
11月5日(火) |
10月マネタリーベース=8時50分 東証、株式の取引時間を30分延長。終値形成の透明化を目指す「クロージング・オークション」開始 ◆決算発表=任天堂(7974)、菱重工(7011)、LINEヤフ(4689) |
豪州準備銀行理事会 米9月貿易収支=22時30分 米10月ISM非製造業景況指数=6日0時 米大統領選挙投開票 米10年国債入札 ◆決算発表=(欧州)フェラーリ |
11月6日(水) |
9月19・20日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨 ◆決算発表=トヨタ(7203)、伊藤忠(8001)、ダイキン(6367)、NTTデータ(9613)、郵船(9101)、ニトリHD(9843)、IHI(7013)、JFEHD(5411) |
FOMC(〜7日) 米30年国債入札 ブラジル中銀政策金利発表 ◆決算発表=(欧州)ヴォノヴィア、アーム・ホールディングス、(米国)アルベマール、アンシス、ギリアド・サイエンシズ、ニュートリエン、クアルコム、ロイヤルティ・ファーマ、センプラ |
11月7日(木) |
10月都心オフィス空室率=11時 9月毎月勤労統計調査=8時30分 10年国債入札 ◆決算発表=NTT(9432)、富士フイルム(4901)、花王(4452)、味の素(2802)、菱地所(8802)、キリンHD(2503) |
中国10月貿易収支 パウエルFRB議長会見 米9月消費者信用残高=8日5時 ◆決算発表=(欧州)アマデウスITグループ(米国)アリスタネットワークス、フォーティネット、ハリバートン、モデルナ、ピンタレスト、ブロック |
11月8日(金) |
9月家計調査=8時30分 9月景気動向指数=14時 オプションSQ ◆決算発表=ソニーG(6758)、ソフトバンク(9434)、オリックス(8591)、三井不(8801)、オリンパス(7733)、セコム(9735)、クボタ(6326) |
米11月ミシガン大学消費者マインド指数=9日0時 |
- ※ 海外の時刻は日本時間。